こんばんは。若手ブログからようやく引っ越してきたシンザンさんです。
先日、『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治著。新潮新書)という本を買いました。
発達や知能に問題を抱えた非行少年たちの実態がどうなっていて、どのように対応していくべきか書かれた本です。
この本の冒頭に興味深い話が出てきました。
筆者が、複雑図形の模写といって、図形を模写させてその人の認知をみるテストを行ったときの話です。
まず、こういう図形が出てきます。
この図形(図1-1)を暴行傷害事件を起こして入所してきた非行少年に模写してもらったところ、下のような図形(図1-2)を書いたそうです。
これを見た著者の方は衝撃を受け、それを報告された少年院の上層部にも衝撃が走ったそうです。
見るものがこれだけ歪んでいるとしたら、おそらく聞いたことも、読んだことも相応に歪んでいるだろう。だとすれば、我々大人が彼らに話す言葉は、ほとんど聞き取れないか、聞き取れたとしても歪んで聞こえているだろう。
少年院では認知行動療法に基づくアプローチが多く行われているそうです。
しかし、認知行動療法は認知機能に問題の無いことを前提としているので、このように認知機能に問題のある場合には効果が出にくい。
では、一体どうすればいいのか…。
この本に書かれているのはかなり極端な例ですが、それに似たことは吃音でもあるなと思いました。
以前に見学に来たある方は、なぜか教室での音読を自分の吃音改善状況を試す場のように捉えていて、音読後に感想を聞いたら「○○というテクニックを使ったのですがうまく喋れませんでした」などと言っていました。
「吃らずに話そうなどとは考えず、自然に読んでみましょう」などと事前に言っていても、それが全然伝わっていないということです。
グループで話し合いましょうと言ったはずなのに、自説を延々と開陳する人もいます。
会話のキャッチボールが成立しにくいのは、教室に来られている皆さんもよくご存知のとおりです。
私自身もそれなりに歪んでいる(いた)と思います。
歪んでいるから吃音になるわけですよね。
しかし、私は自分が多分おかしいだろうことを最初から自覚していたので、自分の考えをそもそも信用しておらず、人の話を聞いて吸収することに努めていました。
私のこういう気質は、吃音から比較的速やかに改善するのにプラスに作用したと思います。
他の人の言うことに耳を傾けず(あるいは自分の都合のいいところだけ聞く)、自分の頭だけで考えるようなタイプの人はなかなか上手くいかないですね。
この本によると、上記のような非行少年が変わる突破口は「自分への気づき」と「自己評価の向上」だそうです。
こうした様々な知見を参考にして、教室でのカウンセリングにも役立てていきたいと思っています。
先日、『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口幸治著。新潮新書)という本を買いました。
発達や知能に問題を抱えた非行少年たちの実態がどうなっていて、どのように対応していくべきか書かれた本です。
この本の冒頭に興味深い話が出てきました。
筆者が、複雑図形の模写といって、図形を模写させてその人の認知をみるテストを行ったときの話です。
まず、こういう図形が出てきます。
この図形(図1-1)を暴行傷害事件を起こして入所してきた非行少年に模写してもらったところ、下のような図形(図1-2)を書いたそうです。
これを見た著者の方は衝撃を受け、それを報告された少年院の上層部にも衝撃が走ったそうです。
見るものがこれだけ歪んでいるとしたら、おそらく聞いたことも、読んだことも相応に歪んでいるだろう。だとすれば、我々大人が彼らに話す言葉は、ほとんど聞き取れないか、聞き取れたとしても歪んで聞こえているだろう。
少年院では認知行動療法に基づくアプローチが多く行われているそうです。
しかし、認知行動療法は認知機能に問題の無いことを前提としているので、このように認知機能に問題のある場合には効果が出にくい。
では、一体どうすればいいのか…。
この本に書かれているのはかなり極端な例ですが、それに似たことは吃音でもあるなと思いました。
以前に見学に来たある方は、なぜか教室での音読を自分の吃音改善状況を試す場のように捉えていて、音読後に感想を聞いたら「○○というテクニックを使ったのですがうまく喋れませんでした」などと言っていました。
「吃らずに話そうなどとは考えず、自然に読んでみましょう」などと事前に言っていても、それが全然伝わっていないということです。
グループで話し合いましょうと言ったはずなのに、自説を延々と開陳する人もいます。
会話のキャッチボールが成立しにくいのは、教室に来られている皆さんもよくご存知のとおりです。
私自身もそれなりに歪んでいる(いた)と思います。
歪んでいるから吃音になるわけですよね。
しかし、私は自分が多分おかしいだろうことを最初から自覚していたので、自分の考えをそもそも信用しておらず、人の話を聞いて吸収することに努めていました。
私のこういう気質は、吃音から比較的速やかに改善するのにプラスに作用したと思います。
他の人の言うことに耳を傾けず(あるいは自分の都合のいいところだけ聞く)、自分の頭だけで考えるようなタイプの人はなかなか上手くいかないですね。
この本によると、上記のような非行少年が変わる突破口は「自分への気づき」と「自己評価の向上」だそうです。
こうした様々な知見を参考にして、教室でのカウンセリングにも役立てていきたいと思っています。